「伝統的な」の話(彼我の認識に差があったという程度の話)。

以前、友達の家に、遊びに連れていっていただいた事がありました。なんでも夏休みに実家にも帰らずぼーっと日々を過ごしてる私がちょっと気の毒に見えたみたいで、実家海の近所だから一緒に行かないかって誘ってくれたみたいでした。すげぇいい人。彼女はご飯食べる時には必ずお祈りするけっこう敬虔なタイプのキリスト教徒だったので、博愛の精神かもしれません。でね、その子の家の周辺は、もっと以前に政策の一環で補助金が出たとかで、比較的新しい家が立ち並んでおりました。それらの家は、新しいんだけど様式は古い感じ(飛鳥時代式じゃなくて近世辺りのお金持ちとか役人とかの家の様式が近い感じ)でしたが、ちょうど文/化/住/宅じゃなくて日本家屋風のを立ち並べたみたいな。そこで友達に「新しいけど伝統的な形の家だね」的なことを申しましたら、友達は「あれは最近建てられた新しい家なんだよ」とちょっと焦った様子で言いました。いやそれはわかってるんだけど、とは言わずにもう黙ったような記憶がありますが、つまり友達は、「伝統的な家」を「古くからそこにある家」ととったのですよね。私のつもりとしては「様式が古い家」くらいだったんですが。「伝統的」という言葉の彼我の認識の差だと思いました。や、日本語で話してたからそうなったのかとも思うんですけど、こっちにも「伝統的な」に相当する言葉があって、彼女は日本語もわりと上手だったので、やはり認識の差かなと思う次第です。