プリンが食べたいです。

この国には、プリンが売ってないのです。いや、探せばありますけど、巨大全国チェーンパン屋とかに。でも高いし。あと、少し前までシュークリームもなかった。近年はチェーンのパン屋ならどこでもたいがい置いてますが、少し前までは「シュークリーム」っていったらカスタードクリームのことだったんです。今もカスタードクリームのことそう呼びますけど、菓子としてのシュークリームはないのに、その中身の名前だけあるってどういうことかしら。もち米のドーナツは多分結構前からあります。多分これは日本の抹茶味フランス系菓子みたいな感じで、土着化した洋菓子だと思います。
前も書いたかもしれませんが、この国では菓子とパンは同列で、どちらもパン屋で売っています。ケーキ専門店としてのケーキ屋っていうか菓子屋は存在しません。伝統的な干菓子の店は探せばたまにありますが、観光地にある印象です。餅屋はあります。祝い事には餅が欠かせないからです。これが和菓子屋と近いかもしれません。私の実家の近くの和菓子屋さんは12月になれば餅の注文販売をしてました。以前は田舎に住んでいたからかもしれませんが、美味しいパン屋に出会ったことがありませんでした。最近は首都に住んでるので、美味しいパン屋にも出会いますし、チェーン店もじゃっかん美味しかったり種類が多かったりします。以前住んでいたところでは、パン屋の棚のうち七割が餡パンにカテゴライズされるパンで、残りのうち半分が昔の食パンみたいな、そんな感じでした。ちなみに七割の餡パンのうち、三分の一がパンで、残りのうち半分がデニッシュ系、その残りがパイ系です、そして、中身は小倉が八割で、残りがさつま芋でした。どれも美味しいですけど、それしかないという事態が日本人には厳しいんですよ。昔の食パンってのは、二十から三十年くらい前の食パンのことで、給食を連想していただけるとわかりやすいかもしれません、口の中の水分を根こそぎ奪い取り、噛んでも噛んでも呑み込めない、あのパンのことです。でも牛乳があると普通に美味しいです。
パン屋の店頭では、買ったパンを複数人で食べたい時、一口(よりじゃっかん大きい)サイズにはさみでカットしてもらうことができるんですが、切ったパンはトレイの上にざっくり積まれます、あるいはテイクアウトならでかいビニール袋にざっくり詰められます。種類?しったこっちゃねぇ、みたいに。粉とか砂糖とかケチャップとか?むしろ混ぜた方が味がさまざまで美味しいじゃん的な雰囲気です。ビビンパの国です。ちなみにビビンパは混ぜご飯と直訳できます。bibimpabです。bibimが混ぜでpabが飯です。
思い出し始めると次々出てきて困ります、今試験の採点中なので。多分、私がこっちに来たばかりの頃激太りしたのは、食べ物に対するストレス多かったからってのもあるんじゃないかなと思っています。何を食べても、なんかこれじゃないので満足しないのです、結果あほみたいに食べるということになります。太った原因はもういっこあって、一人で食事をするのが頭がおかしい人か完全なる孤独の人か、どちらにせよものすごく可哀想なことなので、知人が昼時に一人でいたら必ず食事に誘う、みたいな文化のせいです。朝ご飯を食べて学校に行きます、授業をします、昼前に誰か先生がおやつに誘いに来てくれます、昼時に別の先生がお昼ご飯に誘いに来てくれます、午後の授業をします、終わる頃誰か先生がおやつに誘いに来てくれます、家に帰ります、晩ご飯はちょっとしか食べられません、こういう食生活です。これに先の何を食べても満足しないってのが組み合わさって、三ヶ月で12キロという偉業を達成したわけです。実家に帰った時には父に二の腕をつままれました。私は父とは微妙な距離感で、普段はあんまり接触はしない方向なんですが、ちょっと面白かったです。笑ってる場合ではありませんでしたが。
何の話でしたっけ、そうです、プリンです。私はおよそ菓子というものがまともに作れたためしがないので(クッキーもだめ、ホットケーキすら微妙、溶かして固めるチョコレートで失敗したこともあります、メシマズ?)、プリンも当然できないものとして試す気にもなりません。ご飯は一応作れるのにね。だからプリンが食べたかったら我慢するしかないのですTT ちなみに夫もプリンが好きです。私はプリンも好きですが、ゼリーはさらに好きなので、まぁいいです、ゼリーはこっちでも普通に売っているのです。
食べ物の話は始めたら次々出てきて終わらないので、今日はこの辺りで。