「お互い」の使い方について。

最近もやもやする言葉に「お互い」という言葉があります。別に間違っちゃいないんです。意味を調べれば(2)として載ってるんですが、もやもやする、そんなんです。何がもやもやするかと言えば、両方ともがそうであるという意味で使っているのを見るともやもやする、という感じです。私には「お互い」ってのは双方が相手に働きかける時に使うという感覚があるからです。正しいらしいのに、もやもやします。
例1
お互いの名前を呼ぶ。
→AがBの、BがAの名前を呼ぶ。
……双方が相手に働きかけています。
例2
私と彼はお互い二十歳。
→双方とも二十歳である。
……特に相手に対する働きかけはなくて、両方ともがそうであるという意味です。
この、2の方がなんかもやもやするのですよ。間違ってないのに。
例3
彼と私はお互い同じ会社の同じ部署にいる。
→双方とも同じ部署にいる。
……働きかけは特にありません。
例4
彼と私はお互い同じ会社の同じ部署にいて、競い合ってきた。
→双方とも同じ部署にいる。あと関係ないけど競い合ってきた。
……働きかけてはいるけど、「お互い」は同じ会社にかかっていて、競い合ってきたとは関係ない。他の人も競い合ってるかもしれないです。
例5
彼と私は同じ会社の同じ部署にいて、お互いに競い合ってきた。
→彼と私は同じ部署にいて、そして双方が相手に競い合う気持ちを持って生活なり仕事なりをしてきた。
……双方が相手に働きかけをしています。
というわけで、ただ単に「そうである」件について「お互い」を使う例と双方が相手に働きかけをする例とを作ってみました。私は例の1と5が好きで、2と3と4はちょっともやもやします。
こういう話を書いていると、「お互い」とか「双方」とかいう言葉がゲシュタルト崩壊します。