夏好き。

先々週と、今日は、とても楽しいお祭りの日だったんですよ。私も行きたいよう、一回でいいから行ってみたいとずっと思ってますけど、思い始めてから既に何年も経過して、今最も熱が高まってるので、もうしばらくこの熱をやり過ごせば、一生行かなくて済むっていうか、行きたいよぅ。
そして先々週は、山形と仙台でリアルお祭りの日がございました。行きたいー。お祭り好きー。でも仙台七夕は行ったことないんですよ、一度行かないといけないです。同じような人混みなのに、夏コミやインテほど抵抗感なく行きたいって言えます。
ついでに京都には何日も滞在してお盆(関西だから盂蘭盆の方ね)にもいたしお仏壇とかお坊さんとかお経とかやったのに、大文字焼きを待たずに帰ってきちゃいました。ほんとは送り火見てから帰るはずだったんですけど、送り火見ずに何してたかって言えばソウルと木浦をすごい勢いで往復してました。なんて旅行だ。道中寝てる時間が非常に長かったにも関わらず、日本で治してきた肩こりが三日で元の木阿弥でございます。くそぅ、忌々しい。一週間経った今も非常に痛くて仕方ないです。なんか、肩とか外してなんとかしてまた装着できればいいのに。
 
夏好きな人間が夏の終わりに見ない方がいい、って映画をご紹介しますよ。ジブリばっかりですな。
紅の豚 [DVD] となりのトトロ [DVD] 耳をすませば [DVD] 
左から、「紅の豚」「となりのトトロ」「耳をすませば」。左二つは宮崎駿監督、右のは宮崎ばっかかよと思って入れた近藤喜文監督です。
なんで夏の終わりに見てはいけないかといえば、夏が終わっていくのが寂しくて仕方ないからです。こないだもこの日記で話しましたが、夏の終わりは悲しいんですよ。毎日少しずつ、暑くなくなっていくのが。雨が降るたびに涼しくなっていくのが。
 
紅の豚」は、ラストシーンが、フィオのナレーションで、ピッコロ社を継いだ私は、毎年夏の休暇にはジーナさんのホテル・アドリアーノで過ごすのは私の大切なきまり、みたいなの。ちゃんとその後みんながどうなったのか、をきちんとナレーションして終わる、宮崎監督の映画には珍しいちゃんとエンディング。これが、夏休みの終わりを連想させて悲しくて仕方ないんですよ。だって、物語の中では子どもだったフィオが、ジーナさんの庭で豚の思い出話をしたりするんですよ、子どもの夏休みは必ず終わるって目の前に突きつけられる気分です(いいおとなが何を言っているのかと思わないでもないですが)。「紅の豚」のエンディングが物悲しいのは、物語が終わるからでも豚が人間になるからでもフィオもジーナさんも失恋するからでもなく、夏休みが終わっちゃうからです。
昔日記でこれと同じような話をして、夏休みはいつも短いってしめたところ、友だちから「いやキミ毎年夏休み長い長いって言ってるよね?」って突っ込まれました。それはそれ、これはこれでございます。
 
となりのトトロ」はもっとわかりやすく、夏が始まって終わるまでを描いた映画ですよね。初夏に草壁姉妹が農村に転校してくるところから始まり、地域に馴染み、夏休みに事件があってメイもサツキも冒険して成長して、夏が終わる。正確にはエンディングまでに夏休みの終わりは訪れません(お母さんの一時帰宅が一週間延びるってだけで、一週間後は描かれてません)が、エンドロールの中では、お母さんの一時帰宅、秋の風景、冬の風景と順に描かれるので、夏休みが冒険とともに終わる印象を受けるのだと、思います。
あと私は農家で過ごしたことがありませんが、「となりのトトロ」の第四エピソード(お母さんが帰って来ないのとメイの迷子とさつきが猫バスに乗るの)は、お盆過ぎって感じがしませんか? 畑とかの様子とか夕方の暗くなり方とか、昼間には蝉が鳴いてるのに夕方にはひぐらしが鳴いてるとか(私が夕方の寂寥感のリアルさに思わず夏の終わり認定をしたくなるっていうだけかも知れませんが)。
 
耳をすませば」は、映画の前半で夏休みも夏も終わってしまい、秋も冬も描かれます。多分冬休み、年末頃?までかな? 終盤で聖司くんが帰ってくるのは年末年始の一時帰国かと思いました(なんかお正月的な行事を失念している可能性もありますが)。じゃあ何が夏の終わりで物悲しいかって言えば、その前半で描かれる夏休みと夏の終わりがあまりにリアルで、と。
それに、「耳をすませば」は、人生のいちばんきらきらしてる時期を描いた作品であるように思われるのです。自分の可能性を試したり模索したり選んだりするのに、取り返しがつかないかも知れないっていう躊躇が少ない、みたいな。進路の件だけではなくて、雫も聖司くんも、伴侶を選ぶのにも躊躇ないです。これはおとなになっちゃった我々には無理ですね、絶対に(言い切るなよ)。結婚してたりお付き合いしてる相手がいたりするにも関わらずこの映画に銃撃された気分がするってのは、そういうことなんじゃないかな、と思う今日この頃です。
 
夏の終わりに関わらず切ない映画もいっぱいありますけどね。ジブリの映画がなんか夏っぽい気がするのは、夏休み公開が多いからっていう気もしますし夏になったら金曜ロードショーで見るからのような気もしますけど、でも、やっぱり山とか海とか野原とか空地とか田んぼとか畑とか、あと登場人物の衣装とか、そういうものの描写から受ける印象なのかも知れない、とも思います。
だって、同じように夏っぽい「魔女の宅急便」のはずなのに、あんまり夏気分で切なくならないのは、魔女子さんの衣装がいっつも同じだからかな、と。サツキはいつも同じ服に見えるけど学校がある間は黄色い半袖のシャツとオレンジ色のスカート(ちなみに冬も同じ色の長袖とズボン)で、夏休みだけが特別にノースリーブのワンピースです(しかも白いです)。魔女子さんは一枚しかない黒い七分袖のワンピースですね。んー、衣装っていうか、やっぱり夏休みってのが重要なんだな、と書きながら思ったので、衣装の件はまた今度。
 
夏って言えば、毎年(なのかどうかはわかんないですけど)「蛍の墓」やるんですよね? でもこれは夏の終わりが切ないとか通り越して胸が痛いですから、今日の話とはあんまり関係ないのです。子どもが殺されるのは、もったいないとか以前に胸がとても痛いですよ。
 
なんだろう今日のこのジブリ祭りな日記は。朝っぱらから「紅の豚」とか見てたのがいけないんだよ。ちなみにポニョはまだ夏だから悲しくないです。夏好き関係なくなってきたけど今日はこの辺でー。