東京楽しかったです。とは全然関係ない話。

詳しくは語らない方向で。東京は暑かったです。名古屋も暑かったです。帰りついた京都もたいがい暑かったですけど。暑くないところはないのかと。いや、暑いの好きですよ。寒いくらいなら暑い方が好き。て言うとみんな私を変態扱いします。しょーがないじゃん初夏生まれなんだし。ていうか寒いと身体が末端から死んでいく気がしませんか? 暑くても水かぶって扇風機当たってればあちーなぁで済むけど、寒いと何しても寒いし、手足が白くなったり紫になったりするし、なんか死にそうな気分するし、爪先痛いし、洋服たくさん着なきゃいけなくて肩こるし、あんまりいいことないです。
 
暑いことでヤなのは、風呂に入れないとか着替えられない外出とか、外出先でトイレに行くのとかです。特にトイレは、今脱いだ汗まみれのパンツをもう一回穿くとかすごいイヤです(だからってぱんつをその場で穿き替えて脱いだパンツを持って帰るのも、洗濯する際にそのパンツに触らなきゃいけないかと思うと憂鬱でイヤだし、使い捨てにするために100円均一のパンツ?とか考えるけどやっすいパンツはそもそも最初に穿いた時に不快だからイヤ)。用を足すのにいちいちパンツを脱がなくていいうらやましさのあまり全ての男子に殺意を抱きます。関係ない男子の皆さんごめんなさい。
でも寒いよりよほどいいです。寒い時に暖房のあんまり効いてないトイレに行くと、そのトイレを管理しているどこかに殺意を抱きます。うちの友だちはある時、このクソさみーのに便座のウォーマーを切るとはなんだ出るもんもでねーわなどと怒り狂っておいででしたが、今私のいる学校は便座ウォーマーどころの騒ぎではありません。今から冬が怖いですよ。
 
ほんっと日本のトイレに関するこだわりはすげーしこの辺のトイレに関するこだわりのなさもすげーです。日本は不浄を隠すにも程があるって感じでしょ。もしかしたら方向性を見誤ってるだけかも知れないですけど、多分私の考えは間違ってないと思います。すなわち、「不浄の場」であることを隠すために清潔で快適な場所にトイレを作り変えていった、ですよね、この数十年間。いまや日本のトイレはそこに便器がなければ他の部屋となんら変わりはないという場合がとても多いです(便器があってすら、世間知らずなお人形には可愛い普通のお部屋に見えちゃうみたいですけど。多分飾られた便器がテーブルに見えたんですね。でもこれは極端な例です)。
快適に快適にと手を加えていく作業は、不浄を隠蔽する作業の延長にあります。その証拠に、欧米のトイレとは違って、今でも、日本では風呂とトイレが別に設置されているのが家屋やアパート、マンションの価値の一つです。水回りを同じ場所に集めて合理化する方向で進んでいる今のおうちにあってなお、です。家本体からトイレを遠ざけて建てた数百年前の家屋と同じ発想ですよね。だから、つまり、トイレを「不浄の場」であると認識して「清浄の場」たるお風呂から切り離したうえでそのトイレらしさ、つまり不浄を隠蔽しようという、そんな意図ですよ。
今トイレを飾り付け飾り立てている主婦のどのくらいが意識してるかはわかりません。でも、多分潜在的にはみんなこいういったことを、考えたり感じたりしてるんじゃないかな、してるといいな、という感じです。
 
で、ここいら辺では、トイレはたいていシャワーと一緒の空間にあります。洋式? 洋式です。んで、バスタブがあるとかなりの贅沢です。簡易なおうちにはバスタブはないそうです。学校の寮にもバスタブはありません。立って使うシャワーブース。と、同じ空間にあるトイレ。トイレで使った紙は、備え付けのゴミ箱に捨てます。流しません。配管が細いから、詰まっちゃうんだって。で、紙も日本のトイレットペーパーみたいに溶けやすくありませんから、流すと詰まっちゃいます。ゴミ箱はかなりの頻度でゴミを回収するおばさんがきれいにしていきます。
んで、どこのトイレも、なんか日本のトイレみたいに部屋っぽくなくて、水回りって感じの思い入れしか感じないんですよ。特に清浄だの不浄だのと考えてない。そんな感じです。
だいたい配管が細いなら、作り替えればいいじゃん、紙が流れにくいなら流れやすい紙を開発すればいいじゃん、なんで風呂と同じ空間に尻を拭いた紙を放置しないといけないんだよ、と日本人たる私は思います。こればっかりは文化を尊重するとかそういう殊勝な心掛けはどっかにいっちゃいます、ごめんなさい。
んで学校のトイレは暑くて多分寒くて蚊がいっぱいいます。壊れた便座も使用禁止の個室も放置です。私が来た時からずっとそうで今でもそうです。成績のつけ方とかそんなん中央の真似しなくていいからこういうところで中央の真似しようよ。
ていうわけで、わりとここいらのトイレは近代化に無頓着に見えます。
 
何の話だっけ? あ、暑いとトイレに行きたくないって話でした。なんか違うような気もするけど。そんなわけで、暑いとトイレに行きたくないけど、寒いとトイレにも行きたくないしっていうか動くのイヤだし、やっぱ暑い方がいいって話でした。
あ、暑くてイヤなの、もう一つあります。それは、暑くなくなる日のことです。なんかこないだまで暑くて暑くて溶けて死ぬわーって言いながら炎天下を歩いていたはずなのに、はっと気づくと炎天下のアスファルトがそれほど暑くなくて、いや暑いんだけど、死にそうではない。とか言ってるうちに、夜寝るのに扇風機がいらなくなって、過ごしやすくなって秋の気配とかって。あぁ、夏が去ってしまう、っていうの、そんな気分がイヤです。ずっとずっと夏ならいいのに(とかって言うと、日本人のおおかたが、この変態が、みたいな顔しながら、えー私は冬の方が好きですとか言うんだぜ)。
どんだけ暑くても灼熱でも、いいえ、だからこそ、私は夏が好き。です。
 
……それにしてもあちーな。