名前の呼び方。

表象作品を鑑賞したり読んだりしてその話をする時に、登場人物を何と呼びましょう。私は学術的に扱う時と雑談的に扱う時とで出来るだけ使い分けたいと思っています。例えば学校で演習発表なんかに使う時にはみな敬称略です。祥子さまも蓉子さまも、「祥子」で「蓉子」です。例えばこのブログで使う時には敬称を付けます。「祥子さま」とか「聖さま」とかです。その敬称も気持ちの悪い付け方と好みの付け方があって、私の好みの敬称は短く言うなら、その時問題(話題)にしている部分でもっとも感情移入しているあるいは同調している登場人物の使い方に即する、といったものです。
最近ここでよく話題にする「マリア様がみてる」を例にとると、作品全体を通して私が一番感情移入しているのは今のところ、「祐巳」です。それでここでは祥子さまとその学年とさらに上の学年という設定の登場人物には大抵敬称「さま」がつきます。しかし私は「祐巳」の他に「祥子×祐巳」というカップルにもたいそう注目しています。つまりひとり「祐巳」にのみ同調は出来ていないのです。だから「祐巳」にも敬称がつきます。「祐巳」につく敬称は「ちゃん」。上級生目線です。だから「マリア様がみてる」を読んでいたり話をしていたりする時の私の気分は、「祥子」と「祐巳」の間くらいにある、ということです。というか、「マリア様がみてる」を感情移入しながら読んでいたり話をしていたりする時の私は、「祥子」と「祐巳」の間にある学年の気分がしているということでもあります。
作品にはたいそう感情移入したり同調したりしながら読んでいるけれども特定の登場人物に対してたぶんに感情移入したり同調したりはできにくい、そんな感じの読み方です。いつからこういう視点が自分に出来たのかは分かりませんが、遠い昔高校生の頃、「聖闘士星矢」というマンガ作品を読んでいた時にはもう既にこうだった気がします。三つ子の魂百まで?