『機動戦士ガンダム』見終わった。

一番最初の「ガンダム」のオープニングのテーマソングは三回分くらい見たら憶えました。名曲ですね。歌詞も曲も単純明快、オープニングの映像もきちんと合わせてあって、よいオープニングでした。一昨日全話見終わったのです。
それから「ローゼンメイデン」のオープニングは、曲と映像は合ってて好きですが、憶えられません。三枚目を一昨日見終わったから、計九話見たことになりますが、印象的だし好きなんですけど、難しいです。歌詞も曲も難易度高い。しかもですね、この「ローゼンメイデン」オープニング曲「禁じられた遊び」のサビの入りが、モーニング娘。の「笑顔Yesヌード」とまたそっくりで。並べて聞いたら全然違うんでしょうけど、もうなんていうか、「禁じられた遊び」を憶えたような気がしてひとりで口ずさんでいたら途中から「笑顔Yesヌード」になってるっていう。
 
機動戦士ガンダム』は常に田中芳樹銀河英雄伝説』思い出しながら見てたんですが、これは似てるけど違う、と。『銀河英雄伝説』はおとなの世界、『機動戦士ガンダム』は子どもの世界と簡単にくくっちゃってもいいんですけど、もう少し。田中芳樹は「みなごろしの田中」と讃えられるほど、『銀河英雄伝説』ではキャラクターを殺しまくってますが、『機動戦士ガンダム』の方は、できるだけ味方は殺さない。「味方は」というところがポイントで、『機動戦士ガンダム』ははっきりと「敵」「味方」を分けて描いていて、「敵」キャラクターをほとんど皆殺しにしますが、「味方」はできるだけ殺さないように話を展開させます。
これは『機動戦士ガンダム』が「アニメは子どもの見るもの」のな時代のアニメだったから、話をわかりやすくするためになくてはならない色分けですが、田中芳樹銀河英雄伝説』の場合は「敵」「味方」の色分けをしません。両陣営それぞれに魅力的なキャラクターを配置してそれをことごとく殺していくわけですよ。『機動戦士ガンダム』は新しい「敵」キャラクターが配置されてはガンダムとかホワイトベースとかによって殺されていくので、「敵」キャラクターに思い入れてる暇がないのですよ。現代の視聴者の中には誰がよかったとか誰はもっとよかったとか、言える方々も多いとは思います。でもそれって、「テレビアニメ」をおとなが見て言うことのように思うのですよ。つまり本来ターゲットとされてた年齢性別の方々ではない方々だからこそ、言えるということかと。
銀河英雄伝説』は元々おとな用の小説(同じタイトル)のアニメ化なので、「敵」「味方」というのは相対的にしか存在しません。どちら側により感情移入して見るかによって片側が常に「敵」に見えたりすることもありますが、これは視聴者の問題であって、作り手の問題ではありません。
しかも、『機動戦士ガンダム』は登場させたばっかりの「敵」キャラクターをあっという間に殺してしまうので、見てる私としてはいかな魅力的なキャラクターでも感情移入している暇がないのですよ。一方『銀河英雄伝説』は登場させてから殺すまでに当該キャラクター(いっぱいいますけど)の内面を描写してみたり、いろいろと見てる私に感情移入させておいて殺しちゃう。ていうわけで、『機動戦士ガンダム』は泣けないけど『銀河英雄伝説』は泣ける、とかまあそんな感じ。
 
それから。『機動戦士ガンダム』では、放送されていた時間帯や対象視聴者に設定していた年齢に配慮してか、攻撃され被弾して爆発する宇宙戦艦の内部がほとんど映されません。だから、「戦争」感がしないのです。名台詞にカウントされてるかと思いますが、「悲しいけど、これって戦争なのよね」という台詞と共に特攻(ちょっと違う)する彼(ごめん名前忘れた)と、最終二回のうちどっちかに出てきたモビルスーツを破壊されて「火が! お母さん!!」って死んでく多分学徒動員で徴発された学生さんとおぼしきパイロットと、そんなもんですかね、戦争って人殺しなんだよって意識させてくれるシーンは。
一方『銀河英雄伝説』では、戦闘の度に何人死んだとか爆発炎上する戦艦の中で苦悶しながら死んでいく兵士の描写とか死体とか死にかけてる将校だとか、なんていうか目的が違えば残酷描写ってPG12みたいな絵をすげーたくさん見せてくれるのですよ。いちいちヤン・ウェンリーが「戦争はばかばかしい」とか「戦争ほど憎むべきものはない」とか「兵士に前線で戦わせておいて安全なところで見ている輩が何とかかんとか」とか、文句たらたらなので、見てるこっちはああそうね、戦争は残酷な人殺し行為よねとか考えさせられるまではいかなくてもそういうもんだと思いはするのですよ。
というわけで、田中芳樹は『機動戦士ガンダム』を見て俺ならこう書くって『銀河英雄伝説』を書いたんだろうと。そしてアニメスタッフはものすげー忠実にアニメ化したんだろうと。こんな感じで感想を抱きました。
 
次は『Zガンダム』ってやつです。
 
 
ウィキペディア見たら『機動戦士ガンダム』って青年層向け初のアニメって最初の方に書いてあった。おー、ちょっと衝撃的。つまり上の考察無意味ってこと? 青年層って『銀河英雄伝説』の読者視聴者層と同じってことよね。それならそれでこのいろんなあれとかこれとかの差は何? 後からやったもん勝ちって感じかしら。だってさ、『銀河英雄伝説』のわかりやすい主義主張は中学生から高校生あるいは遅ければ大学生くらいの病だけど、『機動戦士ガンダム』って幼児には難しいだろうけど小学生から中学生向けだと思ってたから。