敬語って使うの大変。

柳橋(仮)先生の日本語講座ーなのか韓国語講座ーなのかわかんないけどなんか講座ー。

敬語使う時、相手を高くするのが尊敬語、自分を低くして相対的に相手を高くするのが謙譲語、あと丁寧にするのが丁寧語、めっちゃ丁寧にするのが丁重語、ざっとこんな感じ。で、敬語使う相手っていうのが日本と韓国でちょっと違うっていうのが今日のお話です。
日本では、こんな感じです。私とAさんが話していて、話題には私の父とAさんの父が登場する、そんな時、私が敬語を使って行動を表現するのは誰? って言ったら、AさんとAさんのお父さんね。たとえばこんな感じ。
「Aさんは学校の先生でいらっしゃるのですね。お父さまは最近何をなさっておいでですの?」
ちょっと不自然ですが、今考えたのでこんなもんです。後で直すかもしれません。
さらにこんな感じ。
「私は最近、英会話教室に通うのが楽しくなってまいりましたの。そして父は毎日ピアノを弾いておりますのよ」
ちょっと不自然ですが、まぁこんな感じ。後で直すかもしれません。
「いらっしゃる」「なさっておいで」が尊敬語、「なってまいりました」「弾いております」が謙譲語です。
このような会話の場合、日本語では、自分及び自分の身内は低くして、話してる相手を高くします。
しかし、韓国語では、ちょっと違います。
「Aさんは学校の先生でいらっしゃるのですね。お父様は最近何をなさっておいでですの?」
こちらは同じですが、次が違います。
「私は最近、英会話教室に通うのが楽しくなってきたのですわ。そして私のお父さんは毎日ピアノを弾いていらっしゃいます」
韓国語では、年上の人には必ず敬語、相手の身内だろうが自分の身内だろうがそこにいない嫌いな先生だろうが、敬語です。逆に年下の人にはあんまり敬語使いません。仲が良くなる前にはちょっと使います、その辺は日本と一緒です。
この韓国語の敬語みたいなのを絶対敬語、日本語の敬語みたいなのを相対敬語と呼ぶそうですね。
というわけで、講座終わりー。
私が日本語を教えている学生は、自分のお父さんやお母さんに敬語を使います。「なさいました」「いたしました」を習ったら、作文に「私のお母さんがなさいました」と書いてきます。初めの年はそういうの知りませんでしたから、書いて持ってきたのを見て初めてなんか敬語使う対象がちょっと違うかもと思いましたが、今はわりと理解したかもです。可愛いのは、「私のお母さんがなさいました」はなんか違うと思うんだけど、じゃあどういえばいいかわかんないって時に、「私のママがなさいました」って書いてくる子。そこじゃねぇ、と、ちょっと萌えましたが、萌えてる場合じゃないです。
 
 
敬語を使うに当たって、一番大事なのは、「敬語を使おう」っていう気持ちです、と柳橋(仮)先生は学生にいつも言います。敬語で大事なのは、距離感と気持ち。適度な距離を保って、この人に敬語で話してあげたいって思う、それが大事なのです。学生は去年一昨年とちょっとずつ授業の中で敬語に触れて、めっちゃビビッてるといいますか、怖がっているので、拒否感から覚える気にもならないし覚えられもしない、みたいな。だからね、学生の間と、働き始めてすぐの頃くらいは、敬語へたくそでもあんまり誰も気にしないです、そんな若い子の敬語がへたくそだからって怒ったりキレたりするような人は、その人の方が頭おかしいです、だから恐れずに使ってみるべし、と柳橋(仮)先生はいつも言います。特に学校は練習する場なので、社会に出る前に、先生に向ってたくさんつかってごらんなさいと。先生という職業の人が学生の敬語の上手下手を気にするのは試験の時だけです。
こういう話をして、心に響いた感じの顔をするのは、学生が二十人いたら十人前後くらいです。そのうちちゃんと練習して上手になっていくのは五人いれば多い方です。先生の話なんか心にちっとも響かないけど勉強得意だから上手になってくのは残りのうちから五人いれば多い方です。でも、毎年少しずつ敬語に触れて敬語の練習する時間を持つようなので、何度もやってるうちに上手な子は上手な子なりに、下手な子は下手な子なりにちょっとずつ上手になっていきます。水をやれば育つ、そんな感じです。