『SPACE BATTLESHIP ヤマト』

今日の記事はいつもと同じくイタくてつまんない上に思いっ切りネタバレしております。今劇場でやってる実写の『ヤマト』を見に行こうかなと思ってらっしゃる方はごらんにならない方がよろしかろうと思われます。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

宇宙戦艦じゃなくてスペースバトルシップなのは、多分ハリウッド的な映画にしたかったのであろうと思われるのですが、その思惑(多分)はだいたい成功したと思います。過去に見たいろんな楽しいSF映画(賢そうなのも賢くなさそうなのもみんな含めて)を髣髴とさせる映画でございました。
主人公は暑苦しいのがよいです。マンガ的な台詞を暑苦しくわめくのは、暑苦しいイケメンか美形がよいですね。木村くんはかっこよくできてたと思います。でもそんなことより雪たんです。あの長い髪の女性は、もりゆきってよりは、クロイツェル伍長(@銀英)でした。ええ、なんですか、撃墜王と書いてエースと読むみたいなあのキャラ! 私はあのゆきたんとかメーテルとかのキャラクターに大した思い入れはありませんから別によいと思いますが、あれ怒る人いるんじゃないかな、と。でもそんなことで怒る人は冒頭からラストまで全部怒ってるか。じゃあいいのか。あと、同じような話ですが、アレですね、乗組員(クルー)に女性が増えてましたね(多分)。もちろん、通信士や看護婦(あえて看護師ではなく)や生活班的な役割ではなさそうな女性が多かった、という話です。現代的ですね。艦橋(コックピット?司令室?)には男性ばかりでしたけど。なんか計算してる子だけが女性で。そこは仕方ないよね、名前の付いてるのが男性キャラばっかりだし。でも人数の少ない艦ですね、多分。いやたくさん積めばいいってわけじゃないとは思うんですが、だってさ、燃料積んでないから艦の中で何とかするでしょ、艦載機積んでたでしょ、ちょう様々な武器が外側についてるでしょ、誰が動かして整備して修理してってやんのさ、っていう。でも、いいの、それはそれで。きっと見えないところにはもう少しいて、映らないところで消えていったの。ていうか、波動エンジンをたくさん作れて艦隊で移動できればよかったのにね。っていうか、要塞にエンジンつけて移動要塞にできればよかったのにね、そしたら艦隊運べるよ。あでももう一隻しか残ってなかったってことだったんだっけ? いやいや少なくとも艦長が先の戦いから乗って戻ってきた艦はあるよね。でもそれしかないのかな。
艦載機といえば、艦長代理が乗って出た艦載機かっこよかったです。動けなくなったゆきたんを捕まえて戻ったのをヤマトが敵機をよけながら回収するシーン。きゃぁぁぁってなるよ、もう一回見に行きたい。科学的にはとか物理的にはとかワープとかの設定的にはとか人間の構造的にはとか、全然だめなんだと思うけど、そういうリアリティをどうでもよくさせるかっこいい演出っていうのはあるんですよ。あるんです。
さて、ハリウッド映画みたいに作ろうとしたであろうヤマトですが、どうしてもハリウッド映画にならない、しかしこれをなくしたら明らかに完成度が下がってしまったであろう、演出があります。ヤマトと古代くんの最期です。ほんとうのハリウッドの映画なら、波動砲の起動スイッチなりボタンなりレバーなりに一分とか三十秒とかの猶予を設けることができるような仕掛けをつけておいて、古代くんが単座式の脱出艇みたいな何かで脱出した直後に艦が自爆する、というようなことになるんじゃないかなっていう。それとこれとどちらがいいとか悪いとかじゃなく、どちらにしてもまとまっていればそれでいいと私は思っていますが、その点が大きく違うのではないかなと思うのです。他は大差ない。フラグを立てた人間が死ぬのも、自己犠牲的な死に方が丁寧でかっこいいのも。いや、どうかな、大差ないかな。うん、多分大差ない。
ハリウッドぽいといえば、デスラー総統はハリウッド的人物でしたね。あのビジュアルの人物を登場させにくい、そんな感じなのでしょうか。でも、あの総統とか女王(だっけ?イスカンダルの人)とかが言ってたけど、アレは、人類補完計画の成れの果てですね。情報統合思念体ですよね。一人はみんなでみんなは一人なんですよね。全部の人類がとけて混ざって、ひとりでありみなであるんですよね、ガミラスイスカンダルもその一側面に過ぎない、っていうの。成功例が『十五少年漂流記』失敗例が『蠅の王』みたいなおんなじ感、成功してたら長門さんを別の地球に送り込めたけど失敗したからガミラス面が暴走して別の地球に攻めて行ったよみたいな、成れの果て感。あのキラキラした総統は、別の映画でみたことある、なんだっけ。ファンタスティック4とかハムナプトラとか、いやもっと似てる何かがいた気がする、思い出せないけど。
似てるといえば。アナライザーはスターウォーズでみた。あの子がぴょんって飛び降りた時、うぉっR2−D2に手足生えてるって思った、かわいい。でもよそさまの感想文で、どう見てもトランスフォーマーだって言われてて、確かにそうかも。でも戦闘艇から生えてた時にすでに私にはR2−D2に見えてて、それが飛び降りて手足長ってびっくりしたのでした。あと、ガミラスがエイリアンぽいっていうのも聞いたけど、私はあれはスターシップトゥルーパーズだと思っているのです。虫にしか見えないでかいのに乗って虫みたいなのが攻めてくる、みたいな。というか、ガミラスイスカンダルに上陸してからのあの絶望的なわらわら感(雑魚敵が無数にわいてくる感じ)はまさにスターシップトゥーパーズなんだけど、でもあんまり見た目からして強そうってわけでもなかったからその辺はスターウォーズみたいにも見えたの。他にもいろいろ○○に見えたっていうのがあるんだけど(ゆきたんがクロイツェル伍長だとかさ)、だからって寄せ集めなんだぷっとかいう感想は抱きませんでした。むしろ好きなものいっぱいあるのねって微笑ましい気持ち? 最初に好きか嫌いか決まってしまうとそのあとの評価がその方向になってしまうのが、私の感情的で冷静さを欠く鑑賞態度だと、自分でも思いますが。
 
ヤマト楽しかったです。