「千と千尋の神隠し」の話、メモ。

千と千尋の神隠し (通常版) [DVD] 宮崎駿千と千尋の神隠し』。
これまでも日記で何度か「千と千尋の神隠し」の話をしてきましたけど、今日からちょっと違う立場で、話を進めたいと思います。今までの話っていっても大した話はしていませんが。
 
千尋の元いた世界じゃなくて、油屋をひとつの共同体として見てみようという目標をもって今後しばらく活動したいと思います。ということで、また毎日「千と千尋の神隠し」見てます。
どういう話をしたいかといいますと。
だいたい今までは、千尋がいくつかの境界線を越えて「あちらの世界」に行って帰ってくる、というのを前提に話をしてきたと思います。みんなそうだし私もそうです。や、見たことないだけで逆向きもあったのかも知れませんけど。なので、これから、逆方向の話をしたいと思います。
油屋はひとつの共同体です。湯婆々が中心で、周囲の人物もそれなりに役割がある感じで。それで、油屋の周りには幾重にも結界が張りめぐらせてあります。まず、表の橋がそうです。それから、食べ物屋ばかり並んでる繁華街の向こうに川を流してあります。昼間はちょっとしか水流してないですが。それからちゃんと門を作ってあります。門の外にもいくつものラインが引いてあり、アイテムが置いてあります。だいいち、門に向かう道自体が木の陰に隠してあります。
千尋と両親は、それらの結界を次々と破って油屋の共同体に入り込んでくる、侵入者なのです。
……という話です。
また、千尋は、油屋の中にまで入り込んで、秩序を破綻寸前にひっかきまわします。その秩序を破壊するのが油屋にとってよかったか悪かったかはまた別の話として、千尋は外から侵入してきて内側をかきまわして去っていく異人に他なりません。
 
この話をするにあたって、ちょっとまだよくわかんないことがあります。世界の内側とか外側とかの話です。
油屋は中心です。内側というよりむしろ中心です。千尋が元いた世界は外側です。周縁というか、外側です。川の辺りからトンネル(門)、脇道、アスファルトに舗装される直前とか「石の祠」(神さまのおうち)辺りが周縁部かな。アスファルトに舗装されてる辺りはもう外側ですね。
で、わかんないのは、神さまとかがいるのはじゃあどこよ、っていうところです。
神さまはトンネル通ってくるわけじゃないよね、だってあれ人間用に見えるもの。だからって中にいるとも思えない、だってニギハヤミコハクヌシ(昔のハク)は千尋と物理的に接触してて人間のいる世界にいたっぽいもの。
今のところ、私は、この世界は平面が二枚かちょっと立体でできていると思ってます。
平面が二枚っていうのは、油屋―人間の世界っていう内と外の構造を持つ平面と、神さまの世界ーっていう平面が上下に重なってて(CDとかを二枚重ねた感じね)、行き来が可能な、というイメージで。
立体というのは、CDの表面と裏面みたいな。表は油屋―人間の世界、裏は神さまの世界、みたいな。あるいは、油屋―人間の世界ていう平面の真ん中辺に漏斗をくっつけた、みたいな。
 
この話の至る先はまだあんまりはっきり見えてませんけど、どこに落とそうかと。油屋が変革されてく、って話をすることは確かでしょう。それから、それが少女の力による、という話もしなければならないでしょう。別に特にイヤとかはないんですよ、少女の力とかっていうの。ただ千尋が劇中で初潮をみたっていう説にだけは真っ向からいくつもの理由をあげて立ち向かいます。そのうち別の話としてこの初潮の話したいですね。若干キモいです。
 
大した話はできませんが、まとまったら続きをしたいと思います。