十四歳。

やっぱね、大事なのは十四歳ですよね。新世界よりの八話九話見たら登場人物が十四歳になって、物語がなんか怖い方向に動き出したわけです。で、やっぱ十四歳だよね、って。アナザー見た時はあんまり考えてなかったけど、アナザーもよく考えれば十四歳と十五歳だよね。
何年か前にもここに書いたけど、十四歳ってのは、思春期とか反抗期とか初潮とか精通とか、人間の心身が最も大きく変化して、しかし変化しきらないから不安定きわまりなくて、しかも全く意のままにならない、っていう人生の中でも最も劇的な時期の一つであるわけですよ。ちなみに老化についてはいちおう成長してから訪れるから、あきらめもつくんじゃないかとか、そういうことも思いますが、第二次成長期はそうもいかないと思うんですよ。更年期についてはまだ経験してないからわかりませんが。で、成長期ですが。子どもだから人間ってそういうものだっていうことすら思い当りもしないし、あきらめもつかない、何コレ状態でしょう。おとなになんかなりたくなくても体は変化するし、早くおとなになりたくても遅々としてしか進まないし、みたいな。小学生でもない、高校生でもない、子どもでもない、おとなでもない、でも子ども扱いされる、子どもじゃない扱いされる、私のアイデンティティって何みたいな。ちなみに受験は来年だーみたいな。いや、アナザーは違うけど。
アイデンティティが危機で、存在がよくわからなくて、成長しきる前で、アンバランス、だから、いろんなものになれるし、なれないし、変身するし、できなくなるし、戦えるし、戦えなくなるし、みたいな、ドラマティック。創作したり製作したりする人たちも、ぜったいわかっていて中学生に変身させたり銃を持たせたりするんだろうと思ってる。
十七歳はまた違うアイデンティティクライシスなんだよね、でも、十四歳だって間違いなくアイデンティティの危機なんだよ。