最近好きなマンガの話。

最近好きな、はらったり清めたりしたりしなかったりするマンガなど。
 
夏目友人帳 (1) (花とゆめCOMICS)  もっけ(勿怪) 1 アフタヌーンKC  百鬼夜行抄 (1) (ソノラマコミック文庫)  蟲師 (1)  アフタヌーンKC (255) 
左から、緑川ゆき夏目友人帳』。熊倉隆敏もっけ』。今市子百鬼夜行抄』。漆原友紀蟲師』。
どれもいいなー。好き。でも、画像の縮尺が違うのがちょっと見てて微妙。左から400円くらいのコミックス、500円くらいのコミックス、文庫、500円くらいのコミックスと、大きさがまるで違うんですよ、本来。ちょっと気持ち悪い。
夏目友人帳』はいかにも少女マンガらしい感じ。絵とかキャラクタとか話とか繊細さとか。キャラクタが細くてきれいだし(線が)、お話も心をきゅっとします。繊細な感性の人は泣いちゃうかもね。人と妖怪(妖)っていう、共存しにくいものが関係を持ってしまったからこその悲しい話、ってのが多いです。夏目がそれらの関係に絡んだり絡まれたりすることで、登場人物に救いとか納得とかが生まれる、というところがいいところです。たまに本当に怖いだけの怪談、に近い感じのお話もなくはない……と思います。
夏目はレイコ(祖母)の形見として「友人帳」を受け継いだ妖怪の見える高校生です。子どもの頃に両親を亡くしています。小さい頃から妖怪が見えるので、引き取った親戚が気味悪がってたらい回しにしますし、学校とかの社会でも爪はじきにされて育ちました。でも、この度引き取ってくれた藤原夫妻(親戚)は親切なので、夏目はこの人たちに迷惑はかけたくないという一心で妖怪の見えるのを隠します。学校では普通の友だちも妖怪の見える友だちもできて、ようやくちょっと落ち着いた幸せです。でも「友人帳」のせいで用心棒とか友人帳から名前を返してほしい妖怪とか「友人帳」を奪いたい妖怪とかいろんなものと関わることになります。でも、ま、いーじゃん、幸せなら。
あ、ちなみに用心棒は狸のごとき招き猫(いや、普通に丸いだけの猫)ですが、有事の際にはなんらかの大きな獣の形になります。猫は実体ですがでっかい方のは妖怪なので人には見えません。夏目が死んだら「友人帳」は彼のものです、ちなみにちなみに、名前は斑っていいます。
白泉社花とゆめコミックス、現在六巻まで刊行、以下続刊。
 
もっけ』は青年誌と少年誌の間くらいな感じ。見鬼の姉と憑巫の妹、でも特にそんなの望んでない、みたいな能力を持ってる姉妹が、田舎の母方の祖父母の家に預けられて、自分たちの能力や影響を及ぼしてくる妖怪と折り合いをつけながら、成長していく、というお話です。昔から日本にいる妖怪、的なのがわりと登場します。妖怪は姉妹を脅かす存在として登場することが多いです、で、話は姉妹の生活と成長が主眼です。あ、姉妹は上が中高生、下が小中学生です。
ちなみに姉妹が預けられた先の、祖父は有力な霊能力者です、はらえます。その娘である姉妹の母は、そんな非科学的なこと一切認めません、娘たちの能力はヒステリーだと思ってるみたいです。父方の一族は気味悪がったり嘘つき呼ばわりして迫害する感じです。姉妹が田舎に預けられたのは、都市の妖怪は新しいので危険の度合いが分かんないけど、田舎の妖怪はまだ付き合い方がわかるから、みたいです。
講談社アフタヌーンKC、現在八巻まで刊行、多分以下続刊(多分なのは、八巻まだ読んでないから。くそぅ、私が戻ってきて間もなく発売されたんだぜ)。
 
百鬼夜行抄』は、少女マンガとレディースコミックの間くらいな感じ。レディースっていうといかがわしい印象があるけど、そうじゃなくて、最近隆盛を誇っている、少女マンガより面白くてもともとのレディコミより上品で面白いマンガ、みたいな。私はそのジャンルをこっそり勝手にヤングレディースと呼んでますが、もしなんか間違ってたり偶然正しかったりしたらごめんなさい。
子どもの時から妖怪が見えていた律(りつ:男子)が、やたらに力のある祖父が死んだ後自分の力でそういうのをなんとかしなきゃいけなくて、頑張ってる感じの話。キャラクタの顔が突然見分けがつかなくなる時があるけど、なんか妖怪もだけど霊とかそういうものもたくさん出てくるし、上のふたつとは違って非常に恐怖的なマンガです。ちょっとおとなの婦人も読者対象に入ってるのか、主人公は高校生から大学生、恋愛に悩む人物も度々登場します。妖怪的なものと恋愛しちゃう主人公の従姉とかね。
そうそう、律にはこれもまた用心棒がついてますが、これは普段は律の死んだ父親に入ってます。有事の際には抜けて竜の形になります。名前は青嵐です。わりと好きです。
朝日新聞社、眠れぬ夜の奇妙な話コミックス(長っ)から現在十六巻まで、ソノラマコミック文庫から現在十巻まで刊行(でもなんかソノラマコミック文庫と朝日ソノラマの違いがわかりません、ごめんなさい)、以下続刊。
 
蟲師』は、青年誌っぽい感じ。ただ、絵はわりと繊細かも。これは妖怪ではなくて「蟲」というものに向きあったり付き合ったりする特殊体質な技術屋(っていうか蟲師)ギンコが流れ流れながら蟲をどうにかする商売をやってるという話。蟲ってのは、なんか不定形な生命のいろんな形をとってるやつ(ちょっと違うかも)で、普通にその辺にいるんだけど人には見えなくて見えないんだけど影響を及ぼしてくるから蟲師が人から離したりする、みたいな。とかいうと、小っさい使徒みたいな気分がしてくるから不思議。ギンコが流れてるのは、特異体質で蟲を寄せちゃうからひとつ処にとどまれないという悲劇なんでした。子どもの頃は苦労したみたいです。
こいつには用心棒とか祖父とかそういったものはついてません。何故ならやたらに強いからです。なんか以前、「『もっけ』は好きだけど『蟲師』はちょっとなー」と言われまして、理由を問うてみると「だってギンコ強すぎるじゃん?」って。そんな感じです。
講談社アフタヌーンKCから現在九巻まで刊行、以下続刊。
 
並べてみたら、楽しい気分になりました。今一押しは『夏目友人帳』です(乾ききった心じゃない人はぜひお読みください)が、どれもとても面白いです。しかもどれもとても絵がきれいです。妖怪とかみたいな人工物でないものをたくさん描いてるだけあって、木とか草とか花とか野原とか山とか、あと空とか水とかが異常に美しいです、どのマンガも。
さて、『夏目友人帳』『もっけ』『蟲師』はアニメ化もされていますよ。『夏目友人帳』は現在放送中です。残り二つはちょっと前に放送されて今は多分DVD的なものがレンタルショップに並んでいると思います。ネットにもありますけど、これは多分だめですね。
夏目友人帳』はこの日記でも騒いでますように、とても美しい絵と音楽でいいアニメになってると思います。パンチはいささか足りませんが、原作もそうパンチのきいた作品じゃないですから、いんじゃねってことで。『蟲師』も絵がきれいでよろしいです。ちょっと背景がきれいすぎてギンコの顔がのっぺりしててたまに笑いそうになりますが最近のアニメはたいていそうなのでいんじゃねってことで。『もっけ』は、んー、まだ一話しか見てませんが、どうかなー。アレです、妖怪は日常の一歩先になんの前触れもなく存在してるのが怖いんだよと私は思ってますので、急に亜空間を展開させられるとちょっと二話目を見るのに躊躇してしまう感じで、まだ続きを見られてません。
 
はなはだ非生産的ですけど、マンガを読むのはとても楽しいです。それにしても講談社ってすげーなー、『もっけ』『蟲師』『おおきく振りかぶって』『もやしもん』、私の好きなマンガでいっぱいだー。……仕事しろよ俺。
 
あぁ、しかも日付け見て愕然としました、一部未来/日記です、ごめんなさいー。いや、多分誰も迷惑してないと思うけどさ。