『枕草子』をかわいく訳そうキャンペーン。

枕草子』を初めから順にかわいく訳そうキャンペーンを実施します。全部訳せるかどうかはわかりませんが、気が向いたときに気が向いたとこまで。原文→現代語訳の順に載せておきます。あと、時々、現代語訳の後ろに柳橋(仮)先生のふまじめちょっとだけ平安時代こうざーがついてる時もあります。
恥ずかしくなったら消すかもしれません。でもこのブログの方針はいっかい書いたら消さない(自戒の意味も込めて)ですので、消さないかもしれません。
 
※ごちゅうい。真面目なけんきゅうではありません。ですから、品詞分解をきちんとした結果の訳文ではありません。原文では同じ言葉でも現代語訳では違う言葉になってたり、原文では違う言葉でも現代語訳では同じ言葉だったり、というところがあると思います。昔の人は一言で言えばその感覚が分かるものでしょうが、現代人には同じ感覚がない時もあるんじゃないかなって思ったので、現代人でもわかるようにしようとした結果です。だから不正確ですので、うっかり中学生のみなさんや高校生のみなさんが迷い込んで来られても、お信じにならないようにお願い申し上げますよ。でも、なるべく原文にそって、大意がつかめて雰囲気が分かって、なおかつかわいさが伝わる、を目指します。そして、テキトーに訳していきます。
※まじめなけんきゅうではありません。それに柳橋(仮)先生の専門は古典文学でもありません。ですから、もしうっかり柳橋(仮)先生のリアルの知り合いの方がご覧になって間違いとかお見つけになっても、あんまり厳しく追及しないでやってくださると嬉しいです。
 
手元に書籍的なものがなかったので、原文は方々のウェブサイトを参考にいたしました。
 
 
第一段(原文)「春はあけぼの」
 春はあけぼの。やうやう白くなりゆく、山ぎはすこしあかりて、むらさきだちたる雲のほそくたなびきたる。
 夏は夜。月のころはさらなり、やみもなほ、ほたるの多く飛びちがひたる。また、ただ一つ二つなど、ほのかにうち光りて行くもをかし。雨など降るもをかし。
 秋は夕暮れ。夕日のさして山の端いと近うなりたるに、からすの寝どころへ行くとて、三つ四つ、二つ三つなど飛び急ぐさへあはれなり。まいて雁などのつらねたるが、いと小さく見ゆるは、いとをかし。日入りはてて、風の音、虫のねなど、はたいふべきにあらず。
 冬はつとめて。雪の降りたるは、いふべきにもあらず、霜のいと白きも、また、さらでもいと寒きに、火など急ぎおこして、炭もてわたるも、いとつきづきし。昼になりて、ぬるくゆるびもていけば、火桶の火も白き灰がちになりてわろし。
 
 
第一段(現代語訳)
 春はやっぱりあけぼのよね。だんだん白くなっていく空、山のちょっと上のあたりの空がちょっと明るくなってきて、雲がね、薄紫みたいな色の雲がほそーくたなびいてるの(とってもきれい)。
 夏は夜。月が出てれば言うまでもないわね。月が出てなくて真っ暗なのもいい。蛍がたくさんちらちら飛んでるのとか。あと、同じ蛍でも、一つとか二つくらい、微かについーっと光って動いてるのもとってもいい。雨とか降ってても雰囲気が出るよね。
 秋は夕暮れでしょ。夕日が差してて、山の稜線にとても近づいてて(山が夕日で真っ赤になってきらっきらしてるの)、そこに、からすがねぐらへ帰るんだって、三つ四つとか、二つ三つとか、急いで飛んで行くのとか、しみじみしてて、雰囲気あって……(こういうちょっとさびしい感じ、胸がちょっときゅんっとするよね、「帰りたい」って感じね)。しかもさ、雁とか並んで飛んで行くのがすっごく小さく遠くの方に見えるのとか、もうほんと雰囲気あって素敵。夕日がすっかり沈んじゃってからも、風の音とか、虫の声とかが素敵なのも、もう言うまでもないわよね。秋の夕暮れとか語ってたら余裕で三時間とか経っちゃうから、この辺にしとくわね。
 冬は早朝がいいわ。雪が降ってるのは言うまでもないよね。霜が降りてて窓の外が真っ白なのも、霜とか降りてない日でも。すっごく寒い朝に、火鉢に入れるためにね、当番の人が炭の用意をするんだけど、火とか急いでおこして、それで暖かくなった炭を持って運んでまわってるのとかも、いい感じね。でも、お昼ごろになって、だんだん寒さがゆるんでくるでしょ、そうすると、火鉢の火もなんんだか白くなって灰ばっかりになって、あんまりよくないわね。
 
 
 平安時代感覚についてちょっと。こういう、「秋の夕暮れ」みたいな、なんだかもの悲しいみたいな雰囲気だけどすごく素敵、あぁ風情あるーって感じのこと、「もののあはれ」っていうのです。それで、「冬の朝」みたいな別に物悲しくなくって普通に素敵って感じを、「をかし」っていいます。
 それから、「わろし」なんだけど、悪いんじゃないのよ、よくないって感じなだけ。いいところから「よし」→「よろし」→「わろし」→「あし」ってだんだん悪くなっていくんだけど、「いいね!」→「悪くないよね」→「あんまりよくないかも」→「ダメ」って感覚です。だから、冬のお昼頃とかは、「ぼんやりあったかくて炭が灰になっちゃってなんかフツーだよねー」って感じ。