野蛮なる歯医者

人さまのうちの文化文物習慣風俗物事のやり方などに善し悪しは別として背景も考慮せずに決めつけて評価を与えるみたいな姿勢を私はあんまり好きじゃありません。好きじゃないだけで時々私自身もするので、それをする人に対して何か言える立場にもありません。
っていうのが前提で、今日はうっかり先日上からなんか決めつけてそんな自分にげんなりした話です。つまり、閲覧注意なんだからねっ、ていう。

先日、非常に堅いお菓子を食べていて、親知らずの虫歯治療あとの金属冠がとれちゃったんですよ。それで歯医者に行ったんですが、そこの医者(あんまり先生っていいたくない)が、「効率的には抜いた方がいいですねえ」しか言わないんですよ。こっちは効率なんか求めてないし、治療してよって言うんですが、聞きもしねえ。めんどくさいんでしょうね、奥歯だし。あご削るやつが多いからみんな歯を抜くことにあんまり抵抗がないんでしょう、逆らわれたことないんでしょう。でもさ、抜歯したらさ、歯並びとかかみ合わせとか変わらない?私は以前田舎の歯医者でもう抜くしかないとか言われて私の常識ではまだ全然普通に行ける見た目の歯を抜いてその直後からかみ合わせがびっくりするほど悪くなって以来毎日ストレスなんだけど、その医者は関連性ないっていうんだよね、でも残念ながら全く信用できないのよ、だって他に理由がないんだもの。何に対して怒ってるのかもはや分かんなくなってきたけど、つまり人の歯を簡単に抜くとか言わないで欲しいわってことなの。日本で歯医者行ったら余裕で温存する程度の虫歯で。しかも嫌がってるのにそれしかないみたいな言い方すんなってのよ。抜歯がどれだけ人体に負担をかけるのか、最近の歯科大学では教えないんですか、私は素人だけどそれくらい想像の範囲内ですわよ。
そんなわけで、ちょっと悪くなったからってすぐ抜こうとするとか有り得んわこの野蛮人が、って思っちゃって、んで他人さまに向かって野蛮人とか思った自分にというか、すぐに歯を抜こうとするのに疑問を抱かないらしい文化に対して野蛮だと上から思っちゃった自分にげんなりしたって話でした。
でもね、ここんちも日本以上にしんたいはっぷの孝の文化だったと思うんだけどね。美容整形とかちょっとずつしてるうちになくなっていくのかね、そういう意識も。髪も可愛いからロングにするのであって、父母からもらった身体の一部だから鋏を入れないとかそういうんじゃないもの。染めたりするの猛烈に流行ってるし。今、十年前の日本みたいに町歩いたら金髪ばっかだし。日本でだってもうそんな言葉も知らない人の方が多いもんね、この機械では変換できなかったし。しんたいはっぷのこう。私も曖昧だし。
つい最近まであまりにも父母に孝に祖国に忠にばかりで締め付けてたから今反動が来てる最中なんだろうと思うんだ、服装とか町の様子とか見ててそんな感想を抱きます。虫歯から遠く離れて振り返り、ああ遠くまで来たなあと思うお昼前。