映画『ワルキューレ』。

暗殺でも何でも、勢いと段取りでさくさく物事が進むのははらはらしてても気持ちいいです。いちいち、鞄が片付けられちゃうかもとか間に合わないかもとかどきどきしながら見てる時、サスペンスだ、と思います。
結末部分ですが、無口な部下が上官(当然自分で選んだわけじゃなくて配属されただけ)をかばって死地に赴くとか、よいです。涙を誘います。多分無口なところが好きなだけだと思いますが。はきはきしてるある種熱血系主人公系部下がおどおどしちゃう上官にしっかりしてって心は受け継がれるって励ますのもよいです。その上官がそれで真っ直ぐ立って歩くのもよいです。かっこいい。アレだよね、劉玄徳さんが敗戦中走る馬車(多分)から坊ちゃんを何度も放り出してその度に趙子竜さんか誰か(うろ覚え、関雲長さんだったかもしれないし他の思い出しもしないどなたかだったかも知れないけど)に馬車止められて拾われてぽいってしちゃダメって言われながら逃げるとか可愛い、みたいなのと同じね。ってここまで書いて、玄徳さんじゃなくて先祖の劉邦さん(お名前すら忘れちゃったごめんなさい)だったかも知れないことに思い至って、どうしようかと思うけど主旨だけわかればいいやっと半ばあきらめる気持ち。
無口同士はよかったです。もう銃口こっち向いてんのにするするって抑えてる人ほどいて部下が寄ってって、銃口と上官の間に立って見詰め合うわけですよ。俺が盾になるけどいいよね、えマジで、だってどうせ俺もこの次に銃殺だし、えぇーでもさぁ、だって俺大佐のこと好きだしさ、うーんいや俺もお前好きだけどさ、でしょでしょー、てか付き合わせて悪かったな、いーんすよ好きでやったんすから、みたいな変な間がたいそういいです。もちろんこんな感じで会話されたら台無し(言葉遣いがまともであってさえ)なわけですが、何秒か無言で見つめあうにーちゃんたちってのがよろしいわけです。その間数秒だけとはいえ待ってやる空気読める銃殺隊指揮してるにーちゃんとかもよかったです。多分独軍だからそうなんだよ、べい軍だったらそうはいかないよ、多分伊軍でも無理だ、だってやつらKYだもん、ってうっかり思っちゃうのは国ぎじんかマンガが大好きだから。
えっとね、すぐに好き好き言っちゃったりちゅーしたりえっちしたりしちゃうようなBLより、こういうそこはかとなく漂うホモくささみたいなのがすきなんです。いろいろしちゃうBLは、それはそれで、例えばポルノとかそういった需要がありますが。そうじゃなくて、ごたいそうに言うと精神的なとかいう話になっちゃう感じで。ホモくささとか求めない人が見たらどう見てもそうは見えないような、あるいはそれって努力と友情と勝利の友情部分でしょう何曲解してんのよって言われちゃうような、この人(キャラ)奥さん(あるいは恋人)いるんだからさーとかたしなめられちゃうような。前からそればっかり言ってるけど。例えば、『銀英伝』とか、『星矢』とか、『コナン』とか、『こゝろ』とか、これらはみな私がかつて友人に怒られたりたしなめられたりした物件です。『幽白』とか近年の『コナン』とか『ヘタリア』とかは発信元が狙ってる節があるので、多分萌えても怒られない。
何度何について言っても言い足りた気がしないのは、多分きちんと表現しきれていないからなんだよね。誰かに聞いてもらうとかじゃなくて、自分を文章で表現するということについて能力が足りなすぎて言いたいことに追いつかないんだ。もうちょっと知的にふるまわないといけないのでしょう。いい年こいたおとななんだから(言い始めるのが遅すぎる)。
 
 
言い忘れてたんですが、この記事の中には『ワルキューレ』のストーリー展開や結末についてのネタバレが含まれていました。『ワルキューレ』を見る気だったのにさらっと記事読んじゃった方はごめんなさい、読み返さないでくださいね。見る気だったのにしっかり読んじゃった方(そんな人いないと思いますけど)は、もっとごめんなさい。こんな大したことないその作品の話あんまりしてないような記事ですらネタバレまみれなんだから、真面目に感想とか書く方は大変なんでしょうね。知らない人がうっかり読んじゃって苦情出たりするんでしょうか。負けないで書き続け、負けないで読み続けていただきたいなーと思います。