切ないアニメ。

秒速5センチメートル 通常版 [DVD] 新海誠監督『秒速5センチメートル
 
秒速5センチメートル』というアニメーション作品を見ました。微妙な言いようなのは、映画なのかOVAなのか知らないからです。あとで調べたりして書き足したいです。……映画でした。劇場公開されてたみたいです。もっとだいだいとやればいいのに。いい映画なのに。『日本沈没』よりよほど感動するよ。私はね。
『秒速5センメートル』は、新海誠という監督の作品です。小学校卒業時に両親の都合で離れ離れになった男の子と女の子のその後を、辿る、というようなつくりで、3話構成です。1話は中学時代(多分。もしかしたら高校かも)、男の子が女の子に会いに行こうとしたその日、大雪が降って電車が大幅に遅れ、ようやく会って、朝まで一緒に過ごす、という話。2話は高校時代、島の高校に転校してきた男の子に、活発な女の子が恋をするんだけど、男の子はずっと空(というかその向こうにいる何者か。私たちには1話で遠くに離れた女の子って分かってるんですけど)ばかり見ていて、自分なんて眼中にないんだと分かって絶望するけど、好きは好きなまま、という話。3話は、就職した男の子は自分の心の空白に気づいてしまって、仕事をやめる、女の子は結婚を間近に控え、幸せ、踏み切りで多分かつて大好きだった人とすれ違うんだけど、振り向いた時下りた遮断機の間を電車が通り抜けて、邂逅は果たせない(というか、女の子はもうそこに執着はない)、という話。
さて、引越し(&その他)で人生を破壊された私が通りますよ。多分、作品の趣旨とは違うんだろうけど、人生って、自分の親にあたるおとなの都合で決まっちゃうんだなーと、そして子どもって自分では何もできないよね、と思いました。ただ同じ学校に進もうとしたのに自分以外の人間の都合で引き離されるし、たかだか雪が降ったくらいのことで乗ってる電車は止まっちゃうし、それでもそれまでは電車に乗れば会いにいける距離にいたのにまたもや自分以外の人間の都合で今度は電車に乗ったからって会いになんていけない程遠くまで引き離されちゃうし、なんか俺がしたか?みたいな気分にならないかな。そしてこの引越しに次ぐ引越しの幼少期は、明らかに主人公の男の子の人生を破壊してるし。
でもね、この作品は心を打つというか、心を掴んでぶんぶん振り回すみたいな感動を与えました。音楽が、既成の作品をたくさん使ってるんですが、いちいちはまってます。絵もたいそうきれいです。私は感動を人に伝えるのがあまり得意じゃありませんから、ここにどう感動したかとか書くのは難しいんですけど、ひとことで言うなら負けたと思った、です。新海誠って、こんないい作品つくる人だっけ? と、教室でほとんど涙ぐみながら思いました(そう、授業で見たんですよね。だからかろうじて泣かなかったけど、お家で見てたら泣いてました)。桜の散る風景を見て何らかの感慨を胸に抱ける人には、ぜひ一度ご鑑賞をお薦めします。ついでに、『秒速5センチメートル』でメインテーマに使われた楽曲を使っている、10年以上先に作られた映画も一緒にお薦めします。『月とキャベツ』です。こちらも泣きます。