文化の極み。

朝、7時の市バスに乗って(いつもは8時15分のスクールバス)、学校には8時に着いて、試験の問題を作りました(使い慣れないパソコンだから、すごい大変だったし)。それにしてもです。この私が試験ですよ、人さまのお子さんを試験するんです。びっくりですよ。ぎりぎりでできて、試験をやって、難易度と時間設定はうまくいったみたいです。一割未満くらいの子が30分くらいで、大多数の子が設定した45分前後で、一割くらいの子が一時間以内で、二、三人が制限時間いっぱいの75分くらいで、できました。でも、問題が一部おかしかったみたい。それで、試験の時間のすぐあとに、バスに乗って、また隣の郡だか県だか市だかまでいくんですよ。
ちなみに、後日採点したら、悔しいことに100がふたりもいました。でも平均は90くらいで、これも狙ったところに落ち着いています。なんていうか、平均は高く、みんなそこそこできるから落第も再試もいないけど、100もいなくて最高点が98、みたいなテストを狙って作ってたんですよね。だって、簡単なのがいいとか難しい方がいいとか、教科書通りがいいとか応用問題を出してよ先生とか、みんな好きなこと言うんだもの。全体に簡単で一部難しい、全体に教科書通りなんだけど確かに応用かも、みたいな問題をひねろうと思っちゃうでしょ。
 
さて、公務員用の日本語講座も今日で終わりです。最後の時間は、何をしましょうかと公務員の皆さんに尋ねましたら、日本の歌を教えて欲しいと、言われました。私、歌は大好きですから、教えるのはやぶさかではないんですけど、突然言われたので、20秒ほど止まってしまいました。しかも、先生歌ってください、ときたもんです。というわけで、大好きな『故郷』を教えてきました。「うさぎ追いしかの山―♪」ってやつです。そして一緒に歌ってきました。ちょっと泣きそうでした。最近涙もろくていけません。年とったのかな。いやいや。中高生から二十歳くらいの時は、感動して泣くなんてキモいとか思っていたので、全然泣きませんでしたけど、最近は、悲しいとか切ないとか思ったらそこで泣いてもいいんだよ、と思えるようになったので、平気で泣きます。自分の決定的な変化を知ったのは、友人宅で鑑賞した『タイタニック』で泣いた時です。いや、主人公たちの悲恋はそれほど悲しくなかったんですけど、船長さんが亡くなるとか、老夫婦がもう逃げるのをやめてベッドで仲良く横になっているとか、そういうシーンで、泣いちゃったんですよね。ちょっと自分に驚愕した瞬間です。あと、『平成狸合戦ぽんぽこ』の終盤、狸が多摩丘陵の昔の姿を一瞬だけよみがえらせるシーンで、これまた涙しました。他にもいくらかありますけど、言うと恥ずかしいので、この辺で。『ぽんぽこ』の多摩丘陵の昔の姿シーンでは、『故郷』がバックミュージックに使われていて、これが非常に切ないんですよね(間違ってたらごめんなさい)。丘陵の農村とか住んだこと一度もないのに、帰りたい気分になるんですよ。あ、『故郷』で話がつながりました。『故郷』は、確か文部省唱歌で、作詞の人も作曲の人も日本にいたような気がしますから、いいですよね。小学校で習う歌とか、すごいいっぱいありますし、いくつも憶えてますけど、日本の歌かどうか、よくわからなかったり知らなかったりすることも多いので、ああもっと真面目に授業をきいてればよかったなと思います。でも、教えてくれない時もあるんですよー。例えば『故郷』は確か小学校6年で習いますが、小学校5年で習う『星の世界』なんかは、メロディーが賛美歌です。「かがやく夜空の 星の光よー♪」ってやつですけど、もとは結婚式で最初に歌う「いつくしみ深き」ですよ。友だちの結婚式に出てびっくりしました。あと、『君が代』ってやつは、作曲者が確かドイツ人でしたか。あー、何の話してるのかだんだんわかんなくなってきました。『故郷』を歌って泣きそうな話でした。歌はいいねー、文化のきわみ。