休職の時間。

[rakuten:book:12075272:image:small] くりた陸『給食の時間』
 
母親のネグレクトと小学校におけるセクハラを原因にものをおいしく食べられない子ども(女子、小学6年生)で、母親の手におえずに田舎に転向してきた少女と、過去の事情のために完食率100パーセントを目指す男性給食調理員が、食を通じて心を通わせたり、心を開くことを通じて女の子がご飯を食べられるようになってゆく、そんなマンガ。
くりた陸のぷにぷにっとした女の子はもう20年(?くらい)前から好きですが。最近、「少女は細い方が美しい」という価値観は結核好みの文人と当の少女の間でのみ有効で、政府としては明治以来かたくなに「少女は太って健康で」「家庭や家計のためによく働き」「子どもをたくさん産んで殖やす」という価値観を称揚してきたのだということを確認したばかりだったので、結核好み的に細すぎる都会から来た少女が、食べなきゃ駄目よ、細すぎて不健康だわ、と言われ、かつ、確かに自分を不健康とみなしてご飯を食べるように自分を変えてゆく、というマンガは、大変面白く読みました。
久しぶりにレビューするので、今日はこの辺で。