『マリア様がみてる』に注釈をつけようの会(仮)、第5回。

マリア様がみてる 1 (コバルト文庫) 今野緒雪マリア様がみてる』。


引用です。
・学年が違うので、このように間近でお顔を拝見することなどない。ちゃんとお声を聞いたのも、今回が初めてだった。(九頁、一六行目)
私は女子なので女子のことしかわかりませんし、共学だったので共学のことしかわかりませんし、所属していた団体は所属していた団体でそれ以外の団体のことはあまりよくわかりませんが、解る範囲で少し思い出しました。中学生から高校生くらいの女子は、日常の全てが規範に満ちているのですよね。学校の中で女の子たちは、まず学年に所属し学級に所属し、班とか委員会とかに所属して、部活動に所属する、生徒会とかそのほかの団体に所属する、所属していない団体の生徒とはなかなかお近づきになれない、そういうものですよね。だから、裕巳さんが祥子さまに声をかけられたこのシーンは、とても説得力があって、かつて高等学校に通っていた女子としては作品の世界に引き込まれるに値するシーンなのです。ありえないシーンが展開して、ありえない物語がはじまろうとしている、というところでしょうか。
男の子の場合はどうなんでしょう。所属しない団体の生徒とはお近づきになりにくいものでしょうか。いきなり自分は相手を知っているが相手は自分を知らない先輩に声をかけられるとかそんなシーンはありえなかったり普通に日常だったりするものでしょうか。冷静な私の予想としては、女の子とさほど変わらないとは、思うのです。思うのですが、よくわかりません。